セキュリティ 不具合改善

以前製作したセキュリティが、まれに誤動作することが判明しました。調べたところ、キーレスエントリの感度改善で挿入したコモンモードチョークが原因のようです。誤動作すると最悪クラクションが暴走するため、対策を実施しました。

Lock信号・UnLock信号をキーレスユニットから受信していますが、GND浮きが発生して誤受信してしまう模様です。
Fig2にあるように、Lock信号High時にUnLock信号のGND電位が上昇(その逆も)しており、条件によってはTrが誤ON。結果、マイコンにLock/UnLockが同時入力される可能性がありました。コモンモードチョークを外すとGND浮きが軽減したため、元々の潜在不具合が顕在化したと考えられます。

Lock信号受信部 回路図
Fig1 Lock信号受信部 回路図
実測結果
Fig2 実測結果 緑:Lock信号,黄:UnLock信号

対策は抵抗ブリーダで適正レベルに落とし、さらにフィルタを挿入しました。対策後の回路は以下の通りです。

対策後回路図
Fig3 対策後回路図

何度も車をバラすのは避けたかったので、LTSpiceでシミュレーション検証しました。無料で便利です。
条件としては、車のBATT電圧が8~18V、GNDは-1~1V変動とし、パラメトリックで確認。

入力波形
Fig4 入力波形
対策後波形
Fig5 対策回路 入出力波形(緑:入力、青:出力)
未対策波形
Fig6 未対策回路 出力波形(NG条件が一部発生)

実車で「まれに発生する」状況とシミュレーション結果が一致しました。車ではありがちな問題で、対策方法も色々考えられると思います。
設計段階で気づけたよね?という突っ込みはご容赦を…。

というわけで、これで完治です。

コメント

  1. まつい より:

    Fig2 実測結果ってあるけど、自宅にオシロ持ってるわけじゃないよね?
    USB経由でPCにモニタするツールがあるの?

  2. 今泉 より:

    このような回路のとき、ベースGND間に抵抗を入れるのはマストです。なぜなら、入力につながる回路のGNDレベルと電位の異なることが多いことと、入力側のLOWレベルがGNDレベルより浮いてしまうことが多いからです。
    もし、問題なく動作していても、高温で誤動作する可能性が高いです。
    抵抗は回路図から10kと30kのブリーダーになっているので、入力電位が約2.8Vで切り替わるようになっています。

  3. 子供の科学 より:

    お! コメントありがとうございます。
    参考にさせてもらいます。

  4. 子供の科学 より:

    オシロはこんなの使ってます。
    http://www.hantek.com.cn/english/produce_list.asp?unid=66
    実は,これは借り物なんですけどねw
    すごく便利なので今度買おうと思っています。

    あとは2ch100MHzのアナログオシロを持ってます。
    昔,中古で安く買いました。
    たまぁ~にアナログオシロも必要なんですよねぇ~

    会社で使っているようなオシロは買いたくても・・・。